旧ヤングコンポーザーコンサートin東北

未来の作曲家コンサートin東北2020応募作品についての全体講評

未来の作曲家コンサートin東北2020にご応募いただい皆様、どうもありがとうございました。
YCC東北の委員が、すべての作品を対象とした講評をまとめました。選考結果の通知とともに以下の文書も同封してありますが、ここにも掲載いたします。


 

2020年4月19日

未来の作曲家コンサート in 東北 2020
応募者の皆さんへ

YCC 東北  代表  小山和彦
選考委員: 門脇治  木島由美子  嶋津武仁  髙橋侑子  宮城純一

 

未来の作曲家コンサート in 東北 2020
応募作品についての全体講評

  この度は、未来の作曲家コンサートin東北にご応募くださった皆様に感謝申し上げます。最近は新型コロナウイルスによる感染症の影響により社会活動が制限され、また昨年は各 地に甚大な被害をもたらした台風に見舞われました。被害に遭われた方々に YCC 東北として心よりお見舞い申し上げます。また、そのような状況下において、作品を完成され本企画 にご応募いただいたことを大変ありがたく思っております。
  さて、今回はホルンとピアノによる二重奏か独奏、それに加えてメロディーのみの募集も 行いました。応募される作品は全て個性豊かで、興味深いアイディアを持っており、選考委 員にとって感心させられる作品が多かったです。ホルンという楽器のために作品を書くのは、とても難しいですが、よくチャレンジしてくださいました。
  それぞれの作品については、選考委員一人一人が評価できる点と改善した方が良いところ についてコメントを書きましたので、今後の参考にしていただきたいと思いますが、全体的 に今後気を付けてほしいことを項目ごとに申し上げます。

■記譜について
  リズムの縦の線が揃っていない楽譜がありました。リズムが揃っていないと、演奏者が読 譜する際非常に困ります。五線紙を的確に使えていない楽譜もあります。段と段の間が狭い ままですと、読みづらいものになります。次の段とは1段は開けるなど適切に書いてほし いです。楽譜は自分がわかればそれで良いのではなく、演奏者が読みやすい楽譜でなければ なりません。演奏時に読みやすく、使いやすい楽譜でなければなりません。コンピューター浄書してあっても読みづらい楽譜もあります。他者の立場に立って楽譜を作りましょう。

■アーティキュレーションについて
  演奏者に、楽譜を通して伝えることは、音の高さとリズムだけではありません。スラーやスタッカートなど必要なことがほとんど書かれていない、あるいは適切に書かれていない 楽譜が多々ありました。
  記譜された音をどのような表情で発音するかを考えることがアーティキュレーションで、いつもこのことを意識しないと音楽が無表情になってしまいます。単に作曲する時だけではなく、もちろん演奏する時にも常に考えてほしいことです。

■楽譜の確認
  出来上がった楽譜をよく確認しましょう。前項の記譜についてと関係しますが、シャープやフラットなど必要な臨時記号が欠落している曲が多々ありました。仮に一つだけしか臨 時記号などが落ちていないとしても、演奏する際には大問題です。リズムの記譜についても 不適切なものがあります。自分の書いた全ての音符は間違っていないかどうか疑って楽譜 を確認することが大切です。
  繰り返しますが、コンピューターで浄書してあれば大丈夫ではありません。手書きで適切 に楽譜を書けない人は、コンピューター浄書でも乱れた楽譜を作っていると思います。また、プレイバック機能で聴いて大丈夫と思っていても、音のぶつかりなどに気づいていない ことがよくあります。
  音楽をする上で、必要なことはソルフェージュの力です。ソルフェージュとは、楽譜を読む、演奏する、聴くことがしっかり出来、かつこの三つの行いをつなげることができるとい う基本的な音楽の能力のことです。日頃からこの三つについていつも意識することが必要 です。ソルフェージュ力がないと、楽譜の見直しをきちんと行うことができません。

■今後のために
  特にピアノの伴奏形によく見られたことですが、和音のポジションが上下に動きすぎて弾きづらいものがあります。伴奏の書き方がわからなくても、歌の伴奏など、参考にできる楽譜はいくらでもあります。専門的な理論の勉強をしなくてもできることはあるのです。もっといろいろな作品から書き方を吸収してみてください。
  作曲をすると、音楽の深い部分がよく見えてきます。今後も未来の作曲家コンサートin東北などの機会を利用して、作曲を続けることをお勧めいたします。